ということで、今回は、タクシードライバーならではの日常の一コマを時待がご紹介いたします。
ある日、とある街中を空車で走っていると、タクシーに乗りたそうな紳士が道端に立っていらっしゃいました。
私が近づくと、手をあげてくださいましたので、ご乗車いただきました。
「ありがとうございます、両備タクシーの時待です。どちらへ参りましょうか?」
「この道をずーっとまっすぐ行って、△△町にさしかかったあたりに病院があるからそれを目指して」
「こちらの道をまっすぐですね、かしこまりました。その病院様はこの道沿いにございますか?」
「そうそう」
「(△△町でこの道沿い、とすると……)それは○○病院様でしょうか?」
「お、よぉ知っとるなぁ」
「それが仕事ですから(キリッ)それでは出発いたしますので、恐れ入りますがシートベルトを…」
「はいはい…(カチャ)」
とまぁ、ここまではいつもの流れ。
しかし、そのあとお客様が、
「いやーでも、今の流れで俺の病院の名前が出てくるようになるとは、やっとこさそれくらいの知名度にはなったわけだ」
とおっしゃったからまぁびっくり。
なんとこのお客様、先ほどの経路確認の際の「○○病院」の院長先生だったのです。
「もちろんです!あのあたりで病院様といえば○○先生は有名ですよ!」
「そうかそうかー^^」
その後も、病院を始めた当初から今までの苦難や喜びを、病院様へ到着するまで始終上機嫌で語っていらっしゃいました。
何気なく例に挙げさせていただいた病院様の院長先生とは存じあげなかったものの、
結果的にご満足頂けたようで、何よりでした。
「タクシーは、単なる移動手段にあらず。」
ということを改めて感じた、そんな瞬間でした。
皆さんも、どうぞご遠慮なく、運転手に話しかけてみてください。
運転手と気軽に会話ができるのも、他の交通手段にはない、タクシーならではの魅力です。
我々は、いつでも皆様の味方です。